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私たちのホームページにようこそお越しくださいました。ここに収録されている作品を見ていただくには、特別の知識は全く必要ありません。個々の作品にじかに向き合い、自由に何ごとかを感じ取っていただければ、それでじゅうぶんなのです。ですが、これらの作品が生まれた背景を知っていただければ、また違った感想を持っていただけるかもしれません。というわけで、これまでの経緯を簡単に書かせていただきます。

 

倉石千種は、かねてから絵画に強い情熱を持ってきました。ペルージャに在住するようになってから、およそ20年になります。この間、個展を何度か開催しつつ、孤独のうちに創作活動を続けてきました。

 

そうした状況が続いていた2012年の10月、たまたまペルージャ外国人大学に夫俊彦とともに留学することになった伊藤順子が、ひょんなことで千種のもとを訪ねました。それをきっかけとして、二人はたちまち意気投合しました。やがて千種は、順子が3歳のときから長年書道に励んでいることを知り、絵画と文字とが共鳴しあい、そこに新しい作品世界が生まれるに違いないとの予感を抱きました。順子も千種と共同制作したいと考えコラボ作品の提案をしました。

 

こうして二人で議論を交わし、それぞれの表現をキャンバスにぶつけることで共同制作が始まったのです。この出会いは、千種と順子のそれまでの作品世界やテーマを大きく変えることになりました。

 

やがて2013年5月から6月にかけて、初めて二人展を開催するに至りました。そのタイトルは、上記のような経緯から「イメージとことば」としました。私たちは必ずしも意識してはいなかったのですが、この二人展で作品を見て、書はもちろんながら、その平面構成、色彩などに日本的なものを読み取った方も多かったようです。また、自分たちが余白を重んじる日本的な美意識の伝統のうちにあることも改めて自覚させられました。

 

こののち、ともにさまざまの苦労を抱えながら、生きることの意味を議論し、作品の制作にあたっても魂の深みに届くような表現を目指して心血を注ぎました。また、そうした思いから、2014年5月から開催中の3回目の二人展のタイトルを「IKIRU 生」としました。

順子がペルージャに来て千種に出会うことがなければ、二人で共同制作することもなく、その作品を多くの方に見ていただくこともなかっただろうと思うと、つくづく生きることの不思議を思わないではいられません。

 

私たちがここまで歩みを進めるにあたっては、多くの方に協力していただきました。改めて感謝申し上げます。

 

まず、今回、ホームページを制作するにあたり、私たちの煩瑣で執拗な要求を辛抱強く聞き、的確にまとめてくださった蔵本晴之さんに感謝申し上げます。

また、著名なエスペランチストである堀泰雄さんは、かねてから東日本大震災や福島原発事故の被災者の状況を国際共通語エスペラントによって世界に発信しておられる方ですが、私たちのコラボ作品に「ああ、イタリアの風よ」という詩を贈ってくださり、これを自らエスペラントに訳してくださいました。その詩にこめられたメッセージは、私たちが作品を通してめざしている方向を的確に表現していて、大きな励ましを与えられます。

 さらに、堀さんは、世界のエスペランチストに呼びかけ、彼らがそれぞれの母語に訳してくださいました。また、順子の在学するペルージャ外国人大学の学生たちも協力してくれ、こうして現在、日本語、エスペラント、英語、フランス語、セルビア語、ドイツ語、イタリア語、フィンランド語、スエーデン語、ヘブライ語などの十数カ国語でこの詩を読むことができます。今後もこの数はさらに増えていくことと思います。

また、このホームページに掲載した作品の相当数は、過去3回の二人展に出展したものですが、この二人展の開催にあたり協力していただいた多くの方々、作品をごらんいただいた方々、ワークショップに参加していただいた方々に感謝申し上げます。

 

順子の夫の俊彦も何くれとなくアドバイス、協力してくれました。

 

最後に、今、このホームページをごらんいただいているあなたに感謝します。私たちの作品を楽しんでいただくとともに、少しでも共感を持っていただけるなら、とても嬉しく思います。

 

                            倉石千種 伊藤順子

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